専門医が斬る!ダイエットのダメ図鑑<前編>

※ 本記事の内容は更新日時点での情報です

「今年こそ、痩せる。」
新年の抱負を打ち立てたのも束の間、あれよあれよと月日は流れ、誓いは記憶の彼方に。隠していたお菓子に手が伸びたら最後、溜まった欲求をドドーンと解放……!!私たち(の多く)はなぜ同じ過ちを繰り返してしまうのでしょう。

さまざまな誘惑を断ち切りダイエットを成功に導くため、今回はダイエットのスペシャリストであり医師の工藤孝文先生に協力を依頼。ダイエット中にやりがちな行動「ダメ図鑑」を一刀両断してもらいました。正月太りの解消にもぜひご覧ください。

ダイエットが続かないのは「意志が弱い」せい??

――よろしくお願いします。私も意志が弱い「万年ダイエッター」タイプの人間です。どうすれば誘惑を断ち切れるのでしょう。

そもそも太る原因は「意志が弱いせい」ではありません。私たちの食事に関する行動(食行動)は「意志」ではなく「脳」によって操られているからです。

普段はダイエット外来で多くの患者さんを診察していますが、皆さん自分が太る理由をよく理解していますよ。(食べてはいけないと)分かっているのに食べてしまう――意と反する行動を引き起こすのは「脳内物質のバランスの乱れ」の可能性が。ダイエット成功の鍵は、脳内物質をのことを知りうまく対処することにあるのです。

――なるほど!それではダイエットにありがちなシーンへの具体的な対処法を教えてください。

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ダメ図鑑①:お腹いっぱいなのに食べてしまう

――ご飯を食べたばかりでお腹は空いていないのにすぐに間食に手を出してしまいます。満腹なのに食べたいという欲求が湧くのはなぜですか?

これには、「セロトニン」という脳内物質が深く関係しています。セロトニンには必須アミノ酸のトリプトファンから作られ、幸福感・満足感をもたらす、気分を安定させる、ストレスを軽減するなどの役割があります。しかし、生活習慣の乱れなどにより不足すると脳は不安を感じやすくなるのです。
「セロトニン」は食事によって上昇した血糖値を下げる過程でも分泌されます。お腹いっぱいなのに食べてしまうのは、食べることで手っ取り早く「セロトニン」の恩恵を受けられ、その快楽がクセになっているからです。

【やってみよう!】
・ガムを噛む
セロトニンを増やす方法の1つに「リズム運動」があります。ガムを噛んであごを一定のリズムで動かすことでセロトニンの分泌が促され、食欲を抑える効果が期待できます。

ダメ図鑑②:「私、運動しているのに痩せないんです。」

――帰りは1駅歩く、なるべく階段を使うなど努力はしているつもりなのですが、全く体に反映されません。

残念ながら、痩せない原因は運動不足ではありません。
確かに、少数ながら運動で痩せる方もいますが、運動によって消費されるカロリーはみなさんが思っている以上に少ないのが現実。

例えば、板チョコ1枚分(65g)のカロリーを消費するには2時間のウォーキング、脂肪1kg分痩せるにはフルマラソン2回分の運動量が必要です。本気でダイエットしたいなら「食べた分は運動すればいい」という考え方では甘いのです。まずは、食べ過ぎを防ぐことが最優先と覚えておきましょう。
※時速4km/体重55kgの場合

【やってみよう!】
・毎朝体重を量る
体のちょっとした変化に気がつくことで食べ過ぎは防ぐことができます。まずは己を知ること!毎朝体重計に乗ることを心がけましょう。目標を立てるときは「1か月で2kg減量」よりも「3日で200g減量」のようになるべく細かく行うことで自覚が生まれやすいですよ。

ダメ図鑑③:お酒を飲んだ後はお楽しみのシメ♬

――お酒を飲んでいるとお腹が空いてきて、シメに高カロリーなものを食べてしまいます。

アルコールにはインスリン抵抗性※1を引き起こすとともに、食欲を抑制させる作用のあるレプチンを減少させる働きがあることが分かっています※2。

よく「お酒はエンプティー(空の)カロリーだから」と言う方がいますが、これは他の栄養素を含まないことやアルコールによって代謝が上がり、そのカロリーの一部が消費できるという考え方によるもの。お酒には飲めば飲むほど甘いものやカロリーの高い揚げ物、ラーメンなどが食べたくなるという“落とし穴”があることを覚えておいてくださいね。

※1インスリン抵抗性:インスリンに対する感受性が低下し、インスリンの作用が十分に発揮できない状態のこと
※2マウス実験による報告

【やってみよう!】
・飲み会前にナッツを食べておく
空腹の状態で飲み会に参加しないことが大切。血糖値を上げにくく食物繊維も豊富なアーモンド、クルミなどのナッツ類であらかじめ小腹を満たして暴飲暴食を予防しましょう。

ダメ図鑑④:甘いものは「別腹」

――お腹はいっぱいなはずなのに甘いもののことを考えただけで胃が臨戦態勢に。ファミレスはデザートまで決めてから注文しています。

たらふく食べたはずなのに甘いものは「別腹」という人は多いですよね。もちろん人間に「別腹」など存在するはずもなく、デザートのカロリーもそのまま体の一部に。「別腹」の原理もまた脳内ホルモンが関係しています。
甘いものを食べたとき(食べたいと思ったとき)脳内麻薬ともいわれる「β-エンドルフィン」が分泌されます。さらに、「オレキシン」というホルモンにより胃の運動が活発になり、食べたものが小腸に送られる、これがいわゆる「別腹」なのです。

【やってみよう!】
・お米をしっかり食べる
糖質の多いデザートを食べるくらいなら、代わりにお米をしっかり食べましょう。お米の糖質により脳が満足感を得やすくなり、デザートに手が伸びにくくなるはず。

ダメ図鑑⑤:濃い味付けじゃないと満足できない

――出された料理に塩を振りたくなったり、あっさり系のラーメン屋では家系ラーメンが恋しくなってしまいます。

なんでも濃い味付けを好む傾向のある方は、上で述べた「おいしいものはもっと食べたい」という欲求の仕組みに関与している「ドーパミン」の影響で味覚が麻痺している可能性があります。脳の欲求のままに食事を続けていると、さらに濃い味でカロリーの高い食べ物を求めるように…!

【やってみよう!】
・昆布茶を飲む
昆布茶に含まれる旨味成分「グルタミン」は濃い味に慣れた味覚をリセットする働きがあります。さらに昆布には脳内ホルモンの材料となるビタミンB群や食物繊維が含まれています。脳内ホルモンのバランスを整えたり、食事量を抑える働きも期待できます。

・亜鉛不足に注意する
肉・魚・海苔・牡蠣・ピュアココアなどに多く含まれる亜鉛は、セロトニンやドーパミンなどの脳内物質を作るのに不可欠な栄養素。舌の味覚センサーである「味蕾」の生まれ変わりにも大きく関わっているので、亜鉛の濃度レベルが低いと味覚機能が衰えたり、ほかに皮膚炎や食欲不振が起こることが知られています。

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専門医が斬る!ダイエットのダメ図鑑<後編>

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