体重も食事も、これひとつで
2020.02.26
※ 本記事の内容は更新日時点での情報です
目次
「毎日しっかり寝ているはずなのに、昼間も眠くてつらい」
「寝ても寝ても眠気がとれないのは病気かも?」
睡眠をきちんと取っているのに、日中も眠気が取れないと悩んでいませんか?
仕事や勉強を頑張りたいとき、眠気に邪魔をされるのはつらいですよね。
テレビなどで眠気が強くなる病気が紹介されているのを、目にしたことがある人もいるのではないでしょうか。
寝ても寝ても眠いという状態は、睡眠の質や生活習慣を見直せば改善できるケースもあるのです。
この記事では寝ても眠気がとれない原因や、質のよい睡眠を得るための方法をご紹介します。
ご自身の状態や環境にあてはまるものを見つけ、改善に向けて行動するための手助けにしてくださいね。
体重も食事も、これひとつで
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寝ても寝ても眠いと感じる人は、気づかないうちに慢性的な睡眠不足になっている場合が多くあります。
睡眠時間を長く確保していても、ぐっすり眠れていない可能性もあるのです。
睡眠には眠りの深い「ノンレム睡眠」と、眠りの浅い「レム睡眠」が存在します。
ノンレム睡眠には深さのレベルがあり、その間に約90分周期でレム睡眠が出現するといわれています。
また入眠直後のノンレム睡眠中に分泌される成長ホルモンは、疲労回復や細胞の修復を行う働きをもっています。
なかなか寝付けなかったり、夜中に目が覚めてしまったりする場合は、質のよい睡眠がとれていない可能性があります。
ここでは、睡眠の質を下げてしまう可能性のある事象を、3つに分けてご紹介しています。
自分自身に思い当たるところがないか振り返ってみてくださいね。
質のよい睡眠を妨げる原因として挙げられるのが生活習慣によるものです。
寝酒やたばこなどの生活習慣と睡眠の関係を解説します。
今までの習慣を変えるのは難しいかもしれませんが、良質な睡眠を得るために少しずつでも見直していきましょう。
お酒を飲むと眠りにつくまでの時間を短くさせてくれるので、アルコールが入るほうが入眠しやすいという人も多いでしょう。
しかし、長期的な飲酒は睡眠を質・量ともに悪化させることが多くの研究で示されています。
お酒を飲むと夜中に目覚めてしまい寝付けないこともあり、トータルの睡眠時間も減ってしまうこともわかっています。
お酒を飲んで眠ることがクセになってしまうと睡眠の質を下げるだけではなく、アルコール依存症を引き起こす可能性もあるのです。
寝る前の飲酒が習慣化している人は控えるようにしましょう。
健康面からもお酒を飲む量は、1日平均2ドリンク(純アルコールで20g/日本酒換算約1合)を目安にして、週に2日以上はお酒を飲まない休肝日を設けることをおすすめします。
また、女性はアルコールの分解速度が遅いことなどから、女性の飲酒量はこの半量にすることが望ましいでしょう。
たばこには覚醒作用を持つニコチンが含まれています。
たばこの覚醒作用は、喫煙後1時間程度持続するため、寝る前に吸ってしまうと寝付けなくなる可能性があるのです。
深夜に目が覚めたときにたばこを吸った場合も同様で、覚醒作用によって再入眠がしにくくなる可能性があります。
たばこは寝つきを悪くするだけではなく睡眠の質そのものを下げてしまう可能性も指摘されています。
就寝前のおよそ3~4時間以内にカフェインを摂ると、眠りが浅くなったり寝つきが悪くなったりすることがあります。
カフェインには利尿作用があるため、トイレに行きたくなって夜中に目が覚めてしまうかもしれません。
カフェインはコーヒーや紅茶、緑茶、栄養ドリンクなどさまざまな飲み物に含まれています。
就寝前はカフェインを含まない麦茶やホットミルクなどがおすすめです。
寝る前にスマートフォンで調べ物をしたり、SNSをチェックしたりする方も多いのではないでしょうか。
しかし寝る前にスマートフォンを見ていると、睡眠を阻害されることがあるのです。
その理由にはメラトニンというホルモンが関係しています。
メラトニンは生体リズム調節に重要な役割を担っており、日中は分泌量が減り、夜間は分泌量が増えます。
そのため人は昼間起きていて夜暗くなると眠くなるというリズムで生活ができるのです。
しかしスマートフォンやパソコンの照明に使われているブルーライトを夜間に長時間浴びてしまうと、体が昼夜の区別ができにくくなってしまいます。ブルーライトを浴びることで、メラトニンの分泌が抑制され、寝付けなくなったり、起床が困難だったりと、質のよい睡眠を邪魔する一因となる可能性があります。
女性の場合は、自分の体の状態によって眠気が引き起こされている可能性もあります。
眠気の強い時期に周期があるケースや、妊娠している場合は女性特有の理由によるものかもしれません。
ここでは、月経・妊娠などが原因で引き起こされる眠気について解説します。
月経前の眠気には、プロゲステロンというホルモンが関係しています。
プロゲステロンは月経のおよそ2週間ほど前に増え基礎体温を上げるのです。
この期間を黄体期と呼びます。
人の体温は1日の間でも変動しており、早朝がもっとも低く、夕方に高くなります。
そして夜眠るときには体温が下がりスムーズに眠りにつくことができるのです。
しかし卵胞期と比較して黄体期は1日の体温変動が少なくなり、常に体温が高めの状態となります。
そのため月経前は就寝時に体温が下がりにくくなり、寝つきが悪くなったり睡眠が浅くなったりしてしまうのです。
月経前の眠気がつらいという人は、自分の月経周期と睡眠の変化の関係性について把握しましょう。
生理周期を把握することで、月経前は仕事をセーブするなど体調に合わせた生活を送ることができます。
自分ではスケジュールの調整ができない場合や、どうしてもつらいときには医師に相談し、必要に応じて薬を処方してもらうのも手段のひとつです。
妊娠前期には月経前と同様プロゲステロンが関係して日中の眠気が強くなることがあります。
また妊娠後期には子宮が大きくなって内臓を圧迫したり、胎動が激しくなったりと体が変化します。
体の変化によって睡眠が阻害され、夜中に目が覚めてしまうことがあるでしょう。
そのため睡眠不足となり日中眠気が強くなりやすくなるのです。
妊娠中は無理をせず、日中に短時間の昼寝をするなど、なるべく体を休ませましょう。
症状があまりにつらいときには、かかりつけの医師に相談してみましょう。
更年期になると、エストロゲンという女性ホルモンが減るため不眠になりやすくなります。
また40〜50歳代は1日の平均睡眠時間が5時間から6時間未満の割合が特に高くなっています。
ホルモンの影響だけではなく、家事や子育てが忙しかったり、仕事でも責任が増えてきたりといったことも影響しているかもしれません。
上手に家事の手を抜いたり、仕事を調整して無理しないようにしましょう。
こちらも症状がつらい場合は医療機関を受診し、相談してみてくださいね。
以下の病気には過眠や日中の眠気が強くなる、眠りが浅くなるなどの症状がみられることがあります。
生活習慣を見直したり、改善策を試したりしても日中の眠気がなくならない場合は、医療機関の受診を検討してください。
睡眠の質や日中の眠気の強さを自己チェックしてみましょう。
あくまでひとつの指標ですが、自分の眠りの質や日中の眠気を客観視するための目安として活用してくださいね。
睡眠の質を判断する基準は厚生労働省が示しています。
参考:厚生労働省 online より健康的な睡眠を確保するための生活術 P63より
これらの項目にあまり当てはまらない場合は、質のよい睡眠がとれていないかもしれません。
後ほどご紹介する改善策なども参考に、生活や環境を見直す必要があるでしょう。
エプワース眠気尺度(ESS)は、日中どんなシチュエーションで眠ってしまいやすいか評価するものです。
下記8つのシチュエーションにおいてどれぐらい眠ってしまいやすいか点数をつけていき、合計点数で判断します。
気になる方はリンク先にて自己診断をしてみてください。
エップワース眠気尺度
自分がどれぐらい不眠傾向にあるか測りたいときの指標がアテネ不眠尺度です。
WHOが作成した世界共通のチェックシートですが、あくまで参考のひとつとして自分の状態を知るための一助と考えてください。
寝付くまでにどれぐらいかかったか、睡眠に満足しているか、途中で目が覚めなかったか、などの8つの設問に答えていくと眠りの状態を数値化してくれます。
こちらも興味のある方はリンク先にて診断してみてくださいね。
アテネ不眠尺度
寝ても寝ても眠いときの原因はさまざまですが、睡眠の質を上げられるよう生活を改善してみましょう。
ここからは睡眠の質を高めるためのコツを紹介します。
自分の生活を振り返り、できることから見直していきましょう。
よい睡眠を取るための第一歩は、規則正しい生活を送ることです。
人間には体内時計があり、最近の研究では24時間よりもやや長いといわれています。
1日単位で見れば1日24時間とのズレはわずかなものですが、蓄積すると大きなズレとなっていきます。
そのため人には、毎日体内時計をリセットして24時間に合わせる「同調機構」が備わっています。
起床時には太陽の光を浴びて体内時計を目覚めさせ、夜は同じ時刻に就寝するなど規則正しい生活を送ることで、体内時計が整えられスムーズな睡眠を促すことに繋がるでしょう。
適度な運動習慣は寝つきをよくして深い眠りにつくための助けとなります。
早歩きやランニングなど、軽めの運動を日常に取り入れていきましょう。
例えば1駅前で電車を降り自宅まで歩いてみるなど、日常生活の中に組み込みやすい運動方法がおすすめです。
運動を取り入れるタイミングは夕方から夜など、眠りにつく3時間ほど前がおすすめです。
就寝の3時間ほど前に運動をすると脳の温度が上がり、その後眠ろうとしたときに温度が下がるため入眠しやすくなります。
ただし寝る直前に激しい運動をすると眠れなくなってしまうので注意しましょう。
寝る2~3時間前の入浴は、一時的に体温を上げます。
その後体温が下がっていくため入眠がスムーズになり、深い眠りに入りやすくなるといわれています。
38度程度のお湯ならば25分から30分、42度なら5分程度の入浴がおすすめです。
40度程度の温度で半身浴をするのもよいでしょう。
好みや体調に合わせた入浴方法を試してみてくださいね。
一見関係ないようにも思えますが、食生活の見直しも質のよい睡眠にとって大切な要素です。
朝食では脳のエネルギー源となる糖分を、適量摂って体を目覚めさせましょう。
エネルギーが足りていないと日中の活動が鈍り、夜眠るときに影響が出てしまうかもしれません。
就寝直前に食事を摂ると、消化活動が始まり睡眠を妨げてしまうのでなるべく避けるようにしましょう。
体内時計を整えるため、できるかぎり規則正しい食生活を心がけましょう。
アルコール、たばこ、カフェインを控えることも質のよい睡眠をとるためには大切です。
室内環境を整えることも良質な睡眠にとって大切な要素です。
室内環境とは部屋の温度や明るさ、騒音の程度に加えて、寝具や寝巻きの種類などを指しています。
こちらも当てはまるところがあれば改善していきましょう。
よい睡眠を確保するためには、自分が快適に過ごせる室温を保ちましょう。
スムーズに入眠するためには体温を下げる必要があります。
しかし寒すぎたり暑すぎたりすると体温が適切に下がらず、寝つきが悪くなることがあるのです。
着衣の状態でおおよそ13~29度の室温が許容室温範囲ともされていますが、季節などにもより変わるので、
ひとつの目安として捉え自分が心地よいと感じる温度を設定しましょう。
室内で使用する蛍光灯の明かりでも脳は覚醒してしまいます。
とくに白や青の光は暖色系の光に比べ覚醒しやすい可能性があるので注意しましょう。
ただし真っ暗な状態は不安を感じたり、急な事態に行動しにくい場合もあります。
豆電球や間接照明を活用して、安心して眠りにつきやすい暗さを意識しましょう。
スマートフォンやパソコンのブルーライトも就寝前に浴びないようにしましょう。
よい睡眠を得るためには、騒音にも気を配っておきましょう。
無音状態にする必要はありませんが、約40db以下がよい睡眠を確保するためのひとつの目安となっています。
40dbとは「図書館くらいの静かさ」を指しています。
個人差はありますが、この基準を超えると睡眠に何らかの影響がでる可能性があります。
音が気になる場合は耳栓をしたり窓を閉めたり、できるかぎり静かな環境を確保しましょう。
ベッドは体が沈み込みすぎない硬さのもの、枕は自分に合った高さのものを選びましょう。
掛け布団は体にフィットするものがおすすめです。
ちょうどよい枕の高さやサイズがわからないときには専門店で相談してみましょう。
きちんとサイズを測った上で、自分に適した高さの枕をおすすめしてくれますよ。
寝巻きとしてジャージやスウェットなどを着ている人は、パジャマに切り替えることも検討してみてください。
快適な睡眠を保つためには、吸湿性や保温性・締め付けのないデザインなどが重要になります。
一般的なジャージやスウェットは就寝用に作られていないため、締め付けがきつかったり汗を吸いにくかったりと睡眠時に不快な思いをする可能性もあるでしょう。
パジャマは就寝用に作られているため、吸湿性や保湿性などの機能を備えており快眠を得られやすいのです。
汗をかく夏場なら吸湿・吸水性に優れた綿や麻、冬場なら保温性に優れたシルクのパジャマがおすすめです。
寝ても寝ても眠くなってしまう原因や対処法をご紹介してきました。
しかし対処法を実践してもよくならないなど、深刻な状態の場合は医療機関を受診してみてください。
日中の眠気が強い状態を放っておくと、勉強や仕事がはかどらないだけではなく、事故などを起こす可能性もあります。
睡眠がとれない原因がはっきりしない場合は、精神科や睡眠外来への受診を検討してみてください。
睡眠外来では、検査入院をして寝ている間の脳波・眼球運動・心電図・筋電図等を測定し、睡眠の状態や病気の有無を診断してくれるところもあります。
病気ではないから……と1人で悩まず、医師に相談して解決策を探していきましょう。
寝ても寝ても眠いことがあると、思うように日常生活が送れなくてつらいですよね。
睡眠についての正しい知識を学び、住環境を整え、生活習慣を見直すことは質のよい睡眠をとることにつながります。
自分の身の回りをチェックして、睡眠を阻害する可能性があるものをひとつずつなくしていきましょう。
ただし眠気が改善しない場合には医師への相談も検討してくださいね。
質のよい睡眠を手に入れ、活力にあふれた毎日を過ごしましょう。
※このページに掲載されている記事、写真、図表などの無断転載を禁じます。なお、掲載している情報は記事執筆時点(2020年1月20日)のものです。また、画像は全てイメージです。
体重も食事も、これひとつで
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