体重も食事も、これひとつで
2019.11.07
※ 本記事の内容は更新日時点での情報です
「お腹周りが気になるけれど、もしかして内臓脂肪が増えてしまったのかも…」
「ダイエットで内臓脂肪を落としたいけれど、食事を減らしたらいいの?」
このようにお腹周りの内臓脂肪が気になり、ダイエットをしなければと悩んでいる人も多いのではないでしょうか?
内臓脂肪を落とすためには、適度な有酸素運動や筋トレを行いながら、食生活も改善していくことが大切です。
この記事では、内臓脂肪についての基礎知識と内臓脂肪の落とし方を解説します。
内臓脂肪を落とすために目標としたい運動量やトレーニング方法、食生活の改善ポイントなども具体的に説明しているので、ぜひ参考にしてください。
気になるお腹周りをすっきりさせることで、スタイルアップだけではなく健康的な体づくりも目指せますよ。
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内臓脂肪は体脂肪のひとつであり、腹部の内臓周りに蓄積した過剰な脂肪のことです。
体脂肪には内臓脂肪のほかに、皮下脂肪と呼ばれるものもあります。
まずは内臓脂肪と皮下脂肪の違いからみていきましょう。
内臓脂肪型肥満と皮下脂肪型肥満は、脂肪が蓄積する場所が異なるため、見た目の体形変化にも違いが出やすいのです。
内臓脂肪の蓄積によって太ってしまう人は、下半身よりもウエスト周りが太くなりやすく「リンゴ型肥満」ともいわれています。
また肥満度を表すBMIが「普通体重」の範囲内にもかかわらず、内臓脂肪がついてしまう人もいるため、隠れ肥満症と呼ばれることもあるのです。
そのため見た目の印象だけでは、内臓脂肪の蓄積に気づかない人もいるでしょう。
女性よりも男性のほうが内臓脂肪が増えやすい傾向もあります。
皮下脂肪はお尻や太ももなどの下半身につきやすく、どっしりとした印象になることからも「洋ナシ型肥満」といわれています。
皮下脂肪は男性よりも女性のほうが蓄積しやすく、一度ついてしまうとなかなか落としにくいという特徴もあるのです。
体型の変化が気になる人は、内臓脂肪と皮下脂肪の違いを理解して適切なダイエットに取り組むことが大切でしょう。
内臓脂肪の蓄積は体型変化だけではなく、健康維持にも悪影響を与えるといわれています。
内臓脂肪が増えることで高血糖、高血圧、脂質異常、動脈硬化などが引き起こされる可能性があるのです。
心臓病などの生活習慣病に繋がるリスクも高くなってしまいます。
健康的な生活を送るためにも、内臓脂肪の増加には注意が必要です。
内臓脂肪肥満がきっかけで病気のリスクが高まっている状態は「メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)」と呼ばれています。
日本では、ウエスト周囲が男性85㎝、女性90㎝以上であること、かつ血圧、血糖、脂質のうち2つ以上の項目が基準値を外れている場合に、メタボリックシンドロームと診断されます。
メタボリックシンドロームの診断時に測るウエスト周囲は、おへその高さの腹囲です。
メタボリックシンドロームの診断基準
必須項目 (内臓脂肪蓄積)ウエスト周囲径 男性 ≥ 85cm 女性 ≥ 90cm
内臓脂肪面積 男女ともに≥100cm2に相当 選択項目 3項目のうち2項目以上
1. 高トリグリセリド血症 かつ/または
低HDLコレステロール血症
≥ 150mg/dL < 40mg/dL
2. 収縮期(最大)血圧 かつ/または
拡張期(最小)血圧
≥ 130mmHg ≥ 85mmHg
3. 空腹時高血糖 ≥ 110mg/dL
ダイエットで内臓脂肪を落とすためには、運動と食事、そして筋トレを組み合わせ、生活習慣を改善することが大切です。
ここからは、内臓脂肪の具体的な落とし方について説明します。
体形維持のためだけではなく、健康を維持するためにもぜひチャレンジしてみましょう!
内臓脂肪を落とすためには、有酸素運動がおすすめです。
有酸素運動とはウォーキングやジョギング、サイクリング、スイミングなど比較的長時間継続して行うことができる運動のことを指します。
有酸素運動を一定の時間以上続けることで、内臓脂肪を含む体脂肪がエネルギーとして消費されるのです。
内臓脂肪を落とすためには、1週間当たり10メッツ・時以上の有酸素運動を目標にするとよいとされています。
メッツとは運動強度、メッツ・時とは運動量を示す単位ですが、聞きなれない人も多いのではないでしょうか?
そこで10メッツ・時以上の有酸素運動の例を紹介します。
活動内容/メッツ | 活動の実施時間 | メッツ・時 |
ウォーキング/3.8メッツ
(歩く:93m/分、平地、運動として、小気味よい速度) |
2時間40分 | 10.1 |
一般的なジョギング/7.0メッツ | 1時間30分 | 10.5 |
エアロバイク/5.5メッツ
(自転車エルゴメーター:100ワット、楽な労力) |
1時間50分 | 10.1 |
スイミング/6.0メッツ
(楽しむ、余暇的に) |
1時間40分 | 10 |
サイクリング/6.0メッツ
(自転車に乗る:16.1-19.2km/時、レジャー、ゆっくり、楽な労力) |
1時間40分 | 10 |
縄跳び/8.0メッツ
( ロープジャンピング(縄跳び):ゆっくり) |
1時間15分 | 10 |
内臓脂肪を落とすために目指したい週当たりの有酸素運動量は、ほどよい早歩きのウォーキングであれば合計2時間40分以上、趣味的に楽しむ程度のスイミングであれば合計1時間40分以上です。
週当たりの運動量の目安なので、1度に連続して「活動の実施時間」を取り組む必要はありません。
ウォーキングなどきついと感じない程度の有酸素運動を、30分~1時間程度、週3回以上取行い、1週間で10メッツ・時の有酸素運動を目指しましょう。
しかし日ごろ運動を習慣にしていない人は、どのように取り組めばいいのかわからないかもしれません。
ここからは有酸素運動を生活に取り入れるためのポイントを紹介します。
有酸素運動を開始してから20分以上経過しないと、体脂肪が燃焼されないという話を聞いたことがあるかもしれません。
しかし10分程度の短時間の運動を細切れに行うことでも脂肪燃焼効果が期待できるのです。
同じ運動であれば、連続30分の運動を1回行っても、10分の運動を3回行っても減量効果に差がないことがわかっています。
連続して30分のウォーキングが難しい人でも、通勤時に10分、帰宅時に10分、夕食前に10分などであればチャレンジしやすいでしょう。
週当たり10メッツ・時の有酸素運動を目標にするときは、まずは週に2~3回の運動を取り入れることから始めましょう。
平日はウォーキング、休日はスイミングなど、ライフスタイルに合わせて複数の有酸素運動に取り組こともおすすめです。
有酸素運動を始めたばかりの人は、運動後に疲れを感じることもあるかもしれません。
無理をせず休息を取りながら、長期的に継続することを目標にしましょう。
内臓脂肪を落とすためには、有酸素運動を行うことと同時に食生活を見直すことが重要です。
食生活の改善ポイントは人によって異なるため、ここではタイプ別にご紹介します。
それぞれのタイプごとにチェック項目を用意しているので、自分がどのタイプに当てはまるかを確認しましょう。
【チェック項目】
上記項目に当てはまる人は、1日の摂取カロリーが消費カロリーを超えている可能性があります。
1日の推定エネルギー必要量の目安を、摂取カロリーが下回るように食事内容を意識しましょう。
推定エネルギー必要量/日
年齢 | 身体活動レベル | |||
Ⅰ(低い) | Ⅱ(ふつう) | Ⅲ(高い) | ||
男性 | 18~29歳 | 2,300kcal | 2,650kcal | 3,050kcal |
30~49歳 | 2,300kcal | 2,650kcal | 3,050kcal | |
女性 | 18~29歳 | 1,650kcal | 1,950kcal | 2,200kcal |
30~49歳 | 1,750kcal | 2,000kcal | 2,300kcal |
揚げ物はカロリーが高くなりやすいため、食べる頻度を減らしましょう。
唐揚げよりもグリルチキンを選ぶなど、メニューに気を付けるだけでも摂取カロリーを抑えることができます。
食事は薄味を心がけましょう。
味付けが濃い食事は塩分の取り過ぎになりやすいだけではなく、食欲が増して食べ過ぎに繋がることもあります。
ゆっくり噛むことで食事に時間をかけ、適量でも満腹感が得られるように意識することも大切です。
食生活を改善しながら摂取エネルギーを抑え、有酸素運動で消費カロリーを増やしましょう。
【チェック項目】
上記項目に当てはまる人は、糖質を過剰に摂取している可能性があります。
糖質は体を動かすために必要なエネルギー源のひとつですが、摂りすぎた場合は中性脂肪の蓄積に繋がるのです。
ご飯やパンなどの主食類は、比較的糖質が多く含まれています。
麺類や丼ものなどの単品料理が続くと、主食の量が増えてしまうこともあるでしょう。
食事は主食、主菜、副菜、乳製品、果物をバランスよく取ることが大切です。
糖質量が多い甘いお菓子やデザートなどを習慣的に食べてしまう人も注意しましょう。
仕事や家事をしながらダラダラと間食をすると、つい食べ過ぎてしまうこともあります。
間食の時間と食べる量をあらかじめ決めて、無糖ヨーグルトや甘さ控えめの寒天ゼリーなど糖質の少ないおやつを選ぶとよいでしょう。
【チェック項目】
上記項目に当てはまる人は、野菜の摂取量が不足している可能性があります。
健康的な生活を維持するためには「野菜類を1日350g以上食べること」を目標にするとよいといわれています。
野菜は低脂肪、低カロリーのものが多く、内臓脂肪を落としたい人にも嬉しい食材です。
また野菜に含まれる食物繊維には脂質や糖、ナトリウムなどを吸着して排出する働きがあり肥満の予防にも繋がります。
外食やインスタントの食事が続くと、野菜の摂取量が減ってしまうことも少なくありません。
食事は1日3食を意識して、無理のない範囲で自炊を行い積極的に野菜を食べるように心がけましょう。
電子レンジで加熱したり茹でるなどの調理法は、野菜のカサが減り食べやすくなるためおすすめです。
内臓脂肪を落としたい人は、お酒の量と飲む頻度に注意しましょう。
1日平均2ドリンク(純アルコールで20g/日本酒換算約1合)を目安にして、週に2日以上はお酒を飲まない休肝日を設けることをおすすめします。
1日の飲酒量目安(2ドリンク、純アルコールで20g/日本酒換算約1合)
お酒の種類 | アルコール度数 | 目安量 | |
ビール | 5度 | 中びん1本 | 500mL |
日本酒 | 15度 | 1合 | 180mL |
焼酎 | 25度 | 0.6合 | 約110mL |
ウイスキー | 43度 | ダブル1杯 | 60mL |
ワイン | 14度 | 1/4本 | 約180mL |
缶チューハイ | 5度 | ロング缶1本 | 500mL |
お酒にはカロリーが高いものや糖質量が多いものもあります。
またお酒に含まれるアルコールには、食欲を増進させる働きもあるのです。
お酒の席では揚げ物や味の濃いおつまみが出ることも多く、いつのまにか脂質や糖質を取りすぎてしまうこともあるでしょう。
脂っこいおつまみや過剰な主食類を避けて、野菜を中心としたおつまみを選ぶ工夫なども大切です。
内臓脂肪を落としたい人は、有酸素運動、食事の改善に加えて筋トレに取り組むこともおすすめです。
継続して筋トレを行うことで筋肉量が増え、基礎代謝の向上を目指すことができます。
基礎代謝が上がることで、消費カロリーも増え脂肪燃焼に繋がるでしょう。
ここからは内臓脂肪を落としたい人向けの筋トレのコツや、おすすめの筋トレメニューを紹介します。
ダイエットを目的に筋トレを行う場合は、筋肉量の多い部位を鍛えるとよいでしょう。
これらの筋肉は、体の中でも比較的大きな筋肉です。
大きな筋肉にアプローチすることで、効率的に全身の筋肉量が増加がする可能性があります。
さらに筋肉を鍛えることで引き締まった印象にもなるため、内臓脂肪の減少ともにスタイルアップも目指せるでしょう。
効率的に全身の筋肉を鍛えるためには、筋肉をグループでわけて順番にトレーニングしていく「分割法」がおすすめです。
筋力の向上は「超回復」というメカニズムによって起こるといわれています。
超回復とは、筋トレによって負荷がかかり破断された筋繊維の一部が、修復される際にもとの筋繊維よりも少し太い状態になることです。
筋肉の修復には2~3日程度の時間がかかります。
そのため特定の部位の筋トレを行ったあとの2~3日は、その部位の筋肉を休めて別の部位を鍛えましょう。
筋トレする部位を日によって変えながら、トレーニングと休息を繰り返す分割法を行うことで、効率的に全身の筋力アップと基礎代謝の向上を目指せるのです。
ここからは、自宅でできる筋トレメニューを紹介します。
大きな筋肉にアプローチできる3種類のトレーニングを紹介するので、分割法を取り入れながら挑戦してみましょう。
太もも周りの大腿四頭筋、ハムストリングス、お尻の大殿筋にアプローチできる筋トレメニューです。
お腹周りの腹直筋、腹斜筋、お尻の大殿筋にもアプローチできる筋トレメニューです。
引き締まったウエストとヒップアップを目指したい人も挑戦してみましょう。
ダイエットはもちろん、きれいなバストラインを目指したい人にもおすすめの筋トレメニューです。
大胸筋と広背筋の2つの筋肉を同時に刺激できます。
肥満には複数のタイプがありますが、内臓脂肪が多いタイプを「内臓脂肪型肥満」といいます。
肥満の判定には、一般的にBMI(Body Mass Index)という数字が用いられます。
BMI=体重(kg)÷身長(m)2という計算で出される数字であり、男女ともにBMI=22.0が標準とされており、BMIが25.0を超えると肥満と判定されます。
しかし内臓脂肪型肥満の人は、BMIが25未満の場合もあります。
内臓脂肪型肥満が気になる人は、BMIによる判定だけではなくメタボリックシンドロームの検査なども利用して、自分の体形や健康状態を把握しましょう。
内臓脂肪を落としたい人は、まずは有酸素運動、食生活の改善、筋トレに取り組むことをおすすめします。
生活習慣の改善にプラスして、内臓脂肪や体脂肪に着目した機能性表示食品やトクホ(特定保健用食品)といった食品を利用することもよいでしょう。
腹筋のような筋トレは、筋肉量を増やし基礎代謝を高め、痩せやすい体を目指すためには有効な運動でしょう。
しかし腹筋を鍛えればお腹周りの内臓脂肪だけが落ちるというわけではありません。
内臓脂肪落とすためには、週当たり10メッツ・時以上の有酸素運動が効果的です。
有酸素運動に加えて、腹筋や大腿四頭筋、ハムストリングスなど筋肉量の多い部位をまんべんなく鍛えることで基礎代謝が高まり、内臓脂肪の減少にも繋がると考えられます。
CTスキャンによる検査を受けることで、内臓脂肪量を知ることができます。
人間ドックのメニューやオプションとして用意されているケースもあるので、最寄りの医療機関に問い合わせてみましょう。
メタボ検診と呼ばれる「特定健康診査」でも、メタボリックシンドロームや高血圧、糖尿病などの生活習慣病の早期発見のための検査を受けることができます。
また自宅で手軽に内臓脂肪の目安を測ることができる「体組成計」なども便利でしょう。
定期的に検査を受けたり、体組成計などを使ったりしながら、自分の健康状態をチェックすることは、肥満を予防し健康を維持するためにも重要ですね。
内臓脂肪が気になる人は、市販の体組成計で「内臓脂肪レベル」を測定してみましょう。
内臓脂肪レベルとは「標準」「やや高い」「高い」など、3段階程度の指標で内臓脂肪の状態を判定する目安です。
ダイエットの目標設定や、自分の体を知るためには便利な目安ですが、医学的診断については医師に相談するようにしましょう。
ここでは内臓脂肪レベルが測れるおすすめの体組成計を紹介します。
測定したデータをスマホで記録できるタイプなので、ダイエットのモチベーションにも繋がるでしょう。
FiNCオリジナル体組成計 (FiNC SmartScale)
基本情報 | |
商品名 | FiNCオリジナル体組成計(FiNC SmartScale) |
商品販売会社 | 株式会社FiNC Technologies |
特徴など |
|
タニタ 体組成計 BC-768
基本情報 | |
商品名 | 体組成計 BC-768 |
商品販売会社 | 株式会社タニタ |
特徴など |
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omron 体重体組成計 HBF-228T カラダスキャン
基本情報 | |
商品名 | 体組成計 BC-768 |
商品販売会社 | オムロン株式会社 |
特徴など |
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内臓脂肪が蓄積すると体形が変化するだけではなく、健康維持にも悪影響を与えます。
ぽっこりお腹が気になる人は、有酸素運動、食生活の改善、筋トレといった生活習慣の見直しから始めましょう。
内臓脂肪を落とすためには、無理のない範囲で週に2~3回程度、ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動に取り組むことが大切です。
日ごろの食生活を見直し、脂肪の蓄積に繋がる過剰なエネルギー、脂質、糖質の摂取を避けるメニューを意識するだけでもダイエットに繋がるでしょう。
お腹や太もも、背中など筋肉量が多い部位の筋トレも、痩せやすい体づくりを目指すためには重要です。
ライフスタイルに合わせて運動を取り入れ、少しずつ食生活を改善し、健康的で美しいスタイルを目指しましょう。
※このページに掲載されている記事、写真、図表などの無断転載を禁じます。なお、掲載している情報は記事執筆時点(2020年1月16日)のものです。また、画像は全てイメージです
体重も食事も、これひとつで
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