2026.04.10
※ 本記事の内容は更新日時点での情報です
目次
「寝る前のスマホはNG」
「ちゃんと眠れないとうつになりやすい」
などなど、私たちの日常は、睡眠に関するウソかホントか分からない噂で溢れています。心身の健康に欠かせない睡眠だからこそ、正しい知識を持ちたいもの。
そこで今回は「睡眠の真実Part2」。前回と同様に巷に溢れる睡眠の噂を専門家が徹底解剖していきます。お話を伺ったのは、睡眠医学の専門医である根来秀行(ねごろ ひでゆき)先生です。


A.寝る前のスマホは健康にはデメリットだらけ。ただちにやめましょう。
寝る直前までパソコンやスマホ画面を見ていると、ディスプレイから出ている「ブルーライト」という強い光の影響によって、脳が「まだ昼間」だと勘違いしてしまいます。その結果、睡眠を促す「メラトニン」というホルモンの分泌が抑制されてしまうのです。
また、夕方から夜にかけて強い光を浴びると、体内時計が後ろにずれてしまい、眠くなる時間が遅くなり睡眠リズムが乱れることも分かっています。
メラトニンは、眠気をもたらしたり、成長ホルモンの分泌を促すほか、近年は「老化の原因となる酸化を抑える」「アレルギーやメタボなどの炎症を抑える」「免疫力を高める」といった働きも期待されている大切なホルモン。寝る前のスマホは、このホルモンを抑え込んでしまいます。
人間が、夜間にスマホのような至近距離でブルーライトを浴びる機器を使う習慣を身につけてまだ5~10年しかたっていません。その弊害は今後さらに明らかになっていくかもしれません。仕事の都合などで就寝前にメールチェックが必須の人はなかなか避けようがありませんが、なるべく最小限に。就寝1~2時間前は、部屋の照明も暗めにして、スマホやタブレットで本を読んだりニュースのチェック、ゲームなどをするのは避けましょう。

A.「腹時計」の調整がポイントです!
時差のある海外に行く際や帰国時、多くの人を悩ませる「時差ボケ」。日中ひどく眠くなったり、夜眠れない、なんとなくだるいなどの不快な症状は体内時計と移動先の太陽の動きが合わないために起こります。
少しでも早く時差ぼけを解消するには、できるだけ現地時間で決まった時間に早起きをして光を浴びること。さらに、「腹時計」をうまくつかって体内時計をリセット
する方法が有効です。
ハーバード大学での研究によって最近分かったのは、「15~16時間絶食をした後に食事をすると、食事による体内時計のリセット力が高まる」ということ。具体的には、現地の朝食時間に朝食を必ずとることにして、それより前の15~16時間の機内食はとらないことにしましょう。
ただし、体に備わっている体内時計のリズムの働きは強いため、この方法によってリセットできても1日あたり1~2時間が限度です。10時間の時差があると、時差ぼけが完全に治るまでには5日ほどはかかるでしょう。
とはいえ、何もしないよりはかなり有効です。米国内の西海岸から東海岸への移動、海外への移動などによってパフォーマンスの影響が起こりやすくなるアスリートにも、この方法を指導して大きな効果が得られています。
A.寝室の環境を見直して、腹式呼吸をしてみましょう。
日中、仕事に集中したり、人間関係のストレスなどによってイライラしたりすると、自律神経のうち、緊張モードになる「交感神経」が優位になり、夜になってもリラックスモードの「副交感神経」にうまく切り替わらなくなるときがあります。くたくたに疲れているのに目が冴えて眠れないのはつらいですね。
まずは睡眠のための環境作りをしましょう。じつは、わずかな電灯の明かりでも、睡眠をうながすメラトニンの分泌は抑制されてしまいます。なるべく電気のスイッチはすべて消し、外の明かりが入ってくるようなら遮光カーテンをつけたり、アイマスクをしてみましょう。副交感神経を優位にするのに良いのは、腹式呼吸。ふだん、私たちは肋骨を開いて肺を膨らませて息を吸っていますが、腹式呼吸ではお腹を膨らませて息を吸います。
ベッドに入ったときに、嫌なことを思い出したり不安を感じて眠れないときにも、この腹式呼吸を繰り返すとだんだん気持ちが落ち着いてきて、副交感神経が優位になり、自然に眠りにつくことができます。
そして大切なのは、夜遅くまで眠れなかった日の朝も、決まった時間にがんばって目覚めること。体内時計のリズムを狂わせないことが、睡眠の質をキープするコツです。
A.本当です。睡眠とメンタルは切り離せない関係にあります。
うつ病と診断されなくても、気力が湧かない、落ち込む、という「うつっぽさ」があると、たいてい睡眠にも問題が生じます。睡眠の質が下がると、自律神経の働きにも乱れが生じ、気分を安定させるホルモンである「セロトニン」の分泌も低下してしまいます。
実は、セロトニンは、「メラトニン」の材料になるホルモンで、朝、体内時計のスイッチが入ると、セロトニンが体内で増え、夕方になってくると、このセロトニンに酵素が働きかけ、メラトニンが合成されるという仕組みがあります。
最近の研究で、男性のほうが女性よりも脳内セロトニンを産生する能力が高く、セロトニンの材料となるトリプトファンというアミノ酸が不足すると、女性のほうがセロトニン合成が男性の4倍も減ってしまうということも分かりました。
女性は特に、セロトニン不足になりやすい、ということを意識して、これらホルモンの材料となるたんぱく質を多く含む食品(肉、魚、大豆製品、乳製品など)をしっかりとること、また、朝はしっかり光を浴びること。この心がけで、メンタル力も高めていくことができるでしょう。
一方で、ストレスフルな現代では男性も決してうつリスクが低いわけではありません。セロトニンの分泌を高めるには、リズミカルな動作をすることが有効です。朝、光を浴びながらウォーキングをし、このとき「吸う、吸う、吐く、吐く」と呼吸もリズミカルにすること。また、ガムを噛むことによってもセロトニンを増やすことができます。
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